ブログでの発信

著作権は敷居が高いですが、インターネットで情報発信をするかぎり、この「著作権」を無視することはできません。 このブログでは、この著作権について、私が経験したこと、学んだことを、身近な事例で紹介していきたいと思います。

2016年10月30日日曜日

撮った写真をネットに投稿すると、肖像権・パブリシティー権を侵害する可能性も

10代に人気の「プリ画像」というサービスに、芸能人の写真が多数投稿されており、”「著作権」「肖像権」がわからない子どもたち”という記事が以下にありました。

 アプリ「プリ画像」に見る10代の著作権意識と危険性 - CNET Japan
 http://japan.cnet.com/sp/smartphone_native/35091252/


でも、この問題、子どもたちだけでなく、大人にも言えます。果たして、親や教師のどれぐらいの人が、肖像権・パブリシティー権を理解しているのでしょうか? まあ、こういう私も、以前は、自分が撮った写真を、何も考えずに公開していましたが・・・

自分が撮った写真だから公開しても問題がない?

確かに、自分が撮った写真を公開しているので、著作権上は問題ありません。

でも、写真を勝手に、インターネットに公開された方は、困ります。それが”肖像権(しょうぞうけん)”と”パブリシティー権”です。

他人が写った写真や、有名人が写った写真を勝手に公開すると、この肖像権やパブリシティー権を侵害することになります。著作権法で規定されていませんが、この言葉は、著作権の関係でよく出てくる言葉です。

「人は私生活上の容姿を無断で撮影されたり、写真を勝手に公表されない権利を持っている」

として、判例上も古くから認められているものです。

 肖像権(しょうぞうけん)
 ・・・無断で撮影させない、撮影された写真を勝手に公表させない権利

 パブリシティー権
 ・・・著名人の写真や氏名は経済的価値があり勝手に利用させない権利

私はデジカメで花の写真を撮るのが好きですが、花の写真を撮るときに「写真の中に出来るだけ他の人が写らない」ように気をつけています。ただし、他人が写った写真でも、人物の特定ができない場合などは公開してもOKです。

実は、以前、私が公開した写真に、他人がはっきり分かる写真があり、後から削除したこともありました。

なお、パレード、祭り、政治家の演説、その他イベントなど公の場所での公の行動を撮影した場合は、明らかに公開されるとわかった上で相手が写っている場合にあたり、肖像権の侵害になりません。

自分の写真を公開する際に、”肖像権”と”パブリシティー権”を考慮するには、相手のプライバシーを侵害していないか、また、相手の利益を不当に侵害しないかを考えると良いですね。



■ 肖像権(しょうぞうけん)


「肖像権」というのは誰でも持っている権利で、むやみに自分の写真を公表されて、嫌な思いをしないための権利です。

各個人は、人格的権利の一貫として、自分の顔写真や肖像画(似顔絵も含む)は、自分の知らないところで勝手に使われないようにする権利を持っているということです。

従って、他人を映した写真をホームページ等に掲載する場合には、映っている本人の許諾が必要です。


街を歩いている人を撮影した場合も、その人の許可なく勝手に写真を掲載できません。

親しい友人であっても、本人の了解をとるのがエチケットです。この肖像権は、どこの法律にも出てきませんが、著作権法上の問題として良く議論されます。



■ パブリシティ権


タレント等の有名人の場合、顔写真や名前を使って利益を得ることができるので、肖像権以外に氏名・肖像を利用する権利、パブリシティ権というものがあります。

パブリシティ権は、有名人の氏名・肖像は、コマーシャル等に利用することで経済的な利益を上げることができるので、それを保護しようというものです。


そのため、有名人の写真を無断でホームページ・ブログ・SNS等に使用することは、パブリシティ権の侵害となるので、基本的に有名人の写真は載せてはいけません。



■ 他人が写った写真でも肖像権の侵害にならないケース

パレード、祭り、政治家の演説、その他イベントなど公の場所での公の行動を撮影した場合は、明らかに公開されるとわかった上で相手が写っている場合にあたり、肖像権の侵害になりません。

ただし、パレード、祭りで、たまたま見かけた友人や芸能人の写真を、”こんな人がいた!”といって公開すると、公開されるとわかっていないので、プライバシーの問題もあり、肖像権・パブリシティ権の侵害になる可能性が高いので注意が必要です。

なお、以下の場合も、肖像権の侵害になりません。

①被写体の同意がある
②人物の特定ができない
③被写体の社会生活のマイナス要因にならない

詳しくは以下を参照下さい。

参考:肖像権の侵害になるケースとならないケース | リモートワーク - anywher
https://anywher.net/2015/10/shouzou/

2016年10月14日金曜日

著作権表示 Copyright(コピーライト)は必要なの? 正しい書き方とは?

本やホームページなどでよく見る「(c) **** 2016」の表示は、著作権表示と言われていますが、厳密には、実は必要はありません。

かつて、一部の国では、著作権表示がないと、その瞬間に著作権フリーになるということがありました。

ただし、著作権にはベルヌ条約があり、これに加盟している国では、著作権表示が無くても、著作物を創作すれば、著作権が守られます。


以前はアメリカも加盟していませんでしたが、1989年に加盟したので、ベルヌ条約にはほとんどの国が加盟しており、著作権表示が無くても、著作権は保護されます。

しかし、時間をかけて作成した著作物を公開するときなど、勝手に利用されないか、不安になりますね。

そのため、「この作品には著作権があり、作成したのはいつで、私が著作権者です」という、著作権表示が付けられています。


著作権表示の正しい書き方
 

  必要な3つの要素(名前と発行年度の順番は逆でもOK)


 「©のマーク 著作権者の名前 作品の発行年度」


 ① ©はCopyright(コピーライト)で「著作権」という意味
   なお、”(c)”でもOKです
  
 ② 著作権を持っている著作権者の名前 (制作者ではありません)
   ただし、通常、制作者=著作権者
 
 ③ 最初の発行年 (更新の年号はあってもなくてもOK)
   著作権は制作時の年が重要



私も、最近は、ブログで公開する画像には、必ず「© 一灯 2016」または、「© 2016 一灯」と右下に追加しています。



参考文献:

「著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)」(福井 健策 著)