購入したCDや、レンタルショップで借りてきたレンタルCDを、BGMとして店舗で流すのは、著作権使用料を支払わないと違法になるので注意が必要です。
BGMとして音楽を流す場合、著作権者が持っている「上演権・演奏権」を侵害することになるからです(著作権法 第22条 上演権及び演奏権)。
著作権者は自分が作った音楽を演奏する権利を持っており、著作権者以外の者が勝手に音楽を流すこと(これも演奏にあたります)は、著作権の侵害となります。
なお、著作権法 第38条で、営利を目的とせず、聴衆又は観衆から料金を受けない場合は、音楽を著作権者の許諾なしで公に上演・演奏することができる、という例外が認められてはいます(実演家の報酬もダメ)。
ただし、店舗という、営利を目的とした場所でのBGMは、認められず著作権侵害になります。
個々の著作権者にその都度上演・演奏の許諾を得るのは煩雑で、通常はJASRAC(日本音楽著作権協会)などの著作権管理団体に著作権使用料を支払い、許諾を得ることになります。
詳しくは、以下を参照下さい。JASRACの規定によると、店舗の面積によって価格が変わり、店舗面積が500平方メートルまでは年額6千円です。
各種施設でのBGM JASRAC
http://www.jasrac.or.jp/info/bgm/
■JASRACの管理楽曲をBGMとして流す場合の例外(手続き不要で利用可能)
上記のJASRACのサイトによると、以下は手続き不要でBGMとして利用可能になっています。詳しくは、上記サイトを参照下さい。
①有線音楽放送など、BGMの音源提供事業者から音源の提供を受けている場合
②カラオケや生演奏等で既にJASRACと契約している
③テレビやラジオの放送をそのまま流している
ただし、インターネットラジオは原則として手続きが必要。また、放送を録音・録画して流す場合や、特別な音響設備を利用する場合は手続きが必要です。
④教育機関での利用(※)
⑤福祉・医療施設での利用(※)
⑥事務所・工場等での主として従業員のみを対象とした利用(※)
⑦露店等での短時間で軽微な利用(※)
※ 営利を目的としていても、当分の間、使用料を免除。
(注)「教育機関」の範囲
文部科学省が教育機関として定めるところ、およびこれに準ずるところとなっています。
具体例:
幼稚園・保育園・小中高校・中等教育学校、短期大学、大学、大学院、大学校、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校、専修学校、看護学校など(構造改革特別区域法の定めにより設置される教育機関も含みます。)