書籍・新聞などをコピー(印刷)したものを、個人で利用するのは著作権上は問題ありませんが、会社などで利用すると著作権侵害になります。
さて、それでは、PDF化したり、デジカメ写真で撮ったものを利用する場合は、どうなるのでしょうか?
実は、これもコピーと同様な考え方で、個人で利用するのはOKで、会社などで利用するのは著作権侵害になりますので、注意が必要です。
良い資料が見つかったからと、書籍・新聞などを簡単にPDF化したり写真に撮って、会社で利用すると著作権違反になりますので十分注意ください。
もし、著作権法違反の場合、「最高で懲役10年又は1000万円以下の罰金、あるにはその両方」で、窃盗罪と同じ重さの刑罰になっています。
また、著作権には「両罰規定」があり、法人の代表者、従業員等が著作権侵害行為をしたときは、行為者のほか、当該法人も3億円以下の罰金に処せられます。
なお、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」であれば、他人が作成したものを勝手にコピーしたり利用可能です。
ただし、インターネット上に違法に公開されている有償の音楽・映像を、録音・録画することは、個人的に利用する場合でも、著作権で禁じられていますので注意下さい。
また、ブログやホームページなどで、個人的にインターネットに公開する場合は、”私的使用の範囲”を越え、”公の場”となるので、他人が作成した文章・画像などを勝手にコピーして利用することはできません。
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■ コピーする権利「複製権」は著作権の基本的な権利
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「複製権」は、手書、印刷、写真撮影、複写、録音、録画、パソコンやサーバーへの蓄積など、どのような方法であれ、著作物を「形のある物に再製する」(コピーする) ことに関する権利です。
このコピーする権利「複製権」は、作成した人(著作権者)が持っており、最も基本的な権利です。「複製権」には、「生のもの(講演など)」を録音・録画・筆記するようなことも含まれます。
[著作権法における複製権とは]
第2条1項15号 複製とは、印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること(以下略)
第21条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
第63条 著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。
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■ 複製の具体例
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以下のような行為が複製にあたります。様々な行為が複製に該当しますので注意下さい。
・コピー機によるコピー
・プリントアウト(印刷)
・スキャナーを用いて記事や画像のPCへの取り込み
・ハードディスクドライブへの保存
・CDやDVDのダビング・リッピング
・アップロード、ダウンロード
・MPEGからファイル形式の変換
・MIDI化
・手書きによる模写
・転載
・講演、ショー、コンサート、テレビ番組などの録音・録画
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■ 著作権者の許諾を得ずに著作物を利用できる場合
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著作権者の許諾を得ずに著作物を利用できる場合として主に以下があります(他にも様々ありますが)。
・私的使用のための複製(第30条)
・学校における複製など(第35条)
(1) 私的使用のための複製(第30条)
著作権法には、「私的使用の範囲ならば利用可能」という原則があり、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」であれば、他人が作成したものを勝手にコピーしたり利用可能です。
(2) 学校における複製など(第35条)
学校において、授業で使うことを目的とする場合、教育を担任する人及び授業を受ける人が必要と認められる限度で著作物を複製することが認められています。
しかし、例えば、学校向けのワークブックやドリルなどは、それを複製して授業で使用することは、著作権者の利益を不当に害するので違法です。
詳しくは、以下を参照下さい。
著作物が自由に使える場合|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html