「NAVERまとめ」などで有名な”まとめサイト”、Wikipediaでの説明は、「特定のテーマで情報を収集・編集したウェブサイトのこと。キュレーションサイトともいう。」とあります。
まとめサイト - Wikipedia https://is.gd/9ODl8l
この”まとめサイト”、私も時々、使っていて、なかなか役に立つと考えていますが、上記のWikipediaによると、以下の問題があるとされています。
①コンテンツの転載に伴う著作権侵害
②閲覧数の増加や広告収入の増大を目的とした恣意的な編集や不正確な情報の流布
特に、①の”著作権侵害”の問題は2016年末から深刻です。
DeNA社によるキュレーションサイトの10サイトが休止になった問題に端を発し、他人の文章や画像などのコンテンツを無断利用する、「NAVERまとめ」を始めとする”まとめサイト(キュレーションサイト)”に対する反発が広がっています。
著作権侵害をされた側は、自分のコンテンツが勝手に利用され、著作権侵害の連絡、記事の削除依頼、賠償問題など、本当に大変です。
更に、もう一つの問題は、まとめサイトに記事を書いている人が、悪気が無かったものの、結果的には著作権侵害をし、ある日突然、莫大な額の使用料金の請求が行くことも十分考えられます。
著作権違反時の罰則は以下のようにたいへん重い罰則です。くれぐれも注意ください。
(1) 著作権・出版権・著作隣接権の侵害・・・10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金
(2) 著作者人格権・実演家人格権の侵害・・・5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
なお、「NAVERまとめ」などでは、運営が一切の責任を認めることをせず、全て記事を作成した側の責任としています。
また、下記の記事によると、「NAVERまとめ」を運営するLINE社は、2016年12月28日、著作権侵害を行ったユーザーについては正当な請求があれば、ユーザーの同意なく情報開示を行うことを発表したそうです。
「NAVERまとめ」への反発広がる、キュレーションサイトの著作権侵害
| タイランドハイパーリンクス
http://www.thaich.net/worldnews/20161227sn.htm
なお、「NAVERまとめ」の運営変更が、他のまとめサイトにも広がり、まとめサイトに記事を書いている人への賠償請求が本格化すると予想されています。
そこで、著作権を侵害せずに、他の文書や画像などのコンテンツを利用するための方法を少しまとめてみたいと思いますので参考にしてください。
なお、ここで紹介する方法は、DeNAの医療情報サイト「WELQ」が、著作権侵害を回避するために作成したような「マニュアル」の内容ではなく、あくまでも著作権法に則った、正規の方法です。
[著作権侵害をせずに他のコンテンツを利用する方法]
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■ 他人が作成した文章は、ある条件を守れば利用することが可能(引用)
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他人が作成した文章を利用する場合は、一定の条件が必要です。
この条件を守れば、引用し利用することが可能ですが、この条件を守らないと著作権侵害になります。
自分のオリジナルの文章が多くを占め、自分の文章の説明や補強として、他人の文章を利用する(引いてくる)というのが”引用”です。以下に引用時の注意事項を示します。
(1) 主従関係
自分の著作が主で、引用される著作が従であること。量的にも質的にも自分の著作が主であることが必要。
(2) 必然性があり最小限度
引用が自分の著作に不可欠であり、かつ必要最小限度の引用であること。
(3) 明瞭区分性
かぎ括弧をつけるなど,「自分の著作物」と「引用部分」とを明確に区別すること。
(4) 出所、著作者名の明記
引用する著作物の書名、著作者名などを明記し、出所が明確に分かること。
例)本からの引用の場合・・・“『書名』著者名、発行所名、発行年、引用ページ”のように記述
ホームページからの引用の場合・・・“URL、ホームページ名(制作者)”を記述する。
(5) 引用部分は変更しないこと
引用する場合に、原文そのままで引用すること。なお、途中を省略する場合は“(中略)”などと明記する。
作成した人には、自分の著作物を、自分の意に反して、勝手に変更されない権利(同一性保持権)がありますので、もし、引用した際に、勝手に変更すると、この同一性保持権を侵害する可能性があります。
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■ 他人の文章を要約すると著作権(翻案権)侵害にも 要約時の注意点とは
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文章を”要約すること”は通常『翻案』(著作権法27条)にあたり、原則的に著作権者の許可が必要です。
なお、「要約」といっても、それが「単なる事実」であれば、著作物性はないとされています。したがって、元記事から事実部分だけを抽出して利用した場合には、著作権侵害にはなりません。
また、紹介程度の短い要約は、元の著作物に表現されている著作者の思想又は感情が感得されるものではないので、翻案にはあたらないとされています。
一般的に、原作品の内容がほぼつかめてしまい、原作品に触れなくてもすむような形でダイジェストしたものは翻案にあたり、作品自体の存在を知らせる目的で作られたごく短い要旨等の抜き書きは翻案には当たらず、著作権を侵害しないと言われています。
要約する場合は、この事をよく理解し要約してください。また、要約元を示し、出所が明確に分かるようにすることも大事ですね。
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■ 画像を勝手に利用すると著作権侵害にも、”利用時の注意事項”も大事
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他人が作成した画像データを、インターネット公開の記事の中に、アップロードして利用するのは著作権侵害になります。
なお、”画像利用はフリー”と明言している場合は利用してよいですが、この場合も、”利用時の注意事項”を充分確認することが必要です。
例えば、”利用時の注意事項”に、「個人的な利用はOKで商用はNG」とか、「画像の大きさや縦横の比率を変えて利用しないで下さい」という注意書きがある場合があります。
なお、無料で使える画像やイラストの探し方を、以下のブログで紹介しています。参考にしてください。
無料で使える画像やイラストの探し方とは
http://lifesecurityup.blogspot.com/2017/01/office.html
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■ 友人が写った写真でも公開する場合、本人の許可が必要です!
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「肖像権(しょうぞうけん)」というのは、むやみに自分の写真や名前などを公表されて、嫌な思いをしないための権利です。
各個人は、自分の顔写真や肖像画(似顔絵も含む)を、勝手に使われないようにする権利を持っています。
従って、他人を映した写真、肖像画の類をWebページ等に掲載する場合には、映っている本人の許可が必要です。街を歩いている人を撮影した場合も、その人の許可なく勝手に写真を掲載できません。
親しい友人であっても、本人の了解をとるのがエチケットです。この肖像権は、どこの法律にも出てきませんが、著作権法上の問題として良く議論されます。
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■ 有名人が写った写真を公開すると「パブリシティ権違反」になるので注意!
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タレント等の有名人の場合、顔写真や名前を使って利益を得ることができるので、肖像権以外に氏名・肖像を利用する権利、パブリシティ権というものがあります。
パブリシティ権は、有名人の氏名・肖像は、コマーシャル等に利用することで経済的な利益を上げることができるので、それを保護しようというものです。
そのため、有名人の写真を無断で使用することは、パブリシティ権の侵害となるので、基本的に有名人の写真は載せてはいけません。
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■ 画像の直リンク時の注意事項
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なお、画像の直リンクは著作権法上は”原則”問題となりませんが、必ず、出典のサイト名を記載してください。
もし、直リンクであっても自分が著作権者であると表示したような場合は「著作者人格権侵害」の問題が発生しますので、注意ください。
なお、不正に自らの利益を図る目的があったような場合には、著作権侵害とならないとしても一般不法行為となる可能性がありますので、くれぐれも注意が必要です。
詳しくは、以下の記事を参考にして下さい。
参考:
MERYやWELQ問題を受けて押さえておきたい、画像直リンクと画像無断使用の違法性
| STORIA法律事務所ブログ
http://storialaw.jp/blog/2388
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■ キャラクターの画像を利用するのは著作権違反です!
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キャラクターの画像は著作権上の問題があるので、ホームページ・ブログ・SNS等には基本的には掲載できません。
マンガなどからコピーしたものをそのまま使った場合は、明らかな複製ですから、無断で利用できません。
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■ 歌の歌詞(かし)を公開しても著作権侵害になるので注意!
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歌の歌詞も著作権で保護されているので、インターネット公開記事に、歌詞をそのままのせないように注意下さい。
歌詞には著作権があり、著作権管理団体の許可が必要です。(有名な一句くらいを引用することは大丈夫でしょうが)。
楽曲の歌詞の著作権はJASRAC(日本音楽著作権協会)によって管理されています。歌詞を利用する場合は、JASRACの許可が必要です。
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■ CD等の音楽をインターネットに公開するのは違法
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CDなどに収録された曲をデジタル化(MP3等)して公開しているホームページがありますが、これは著作権を侵害した、違法な行為です。
自分の私的な範囲であれば、CDなどの音楽をデジタル化(MP3等)して利用するのはOKですが、これをインターネット上に公開するのは、私的な範囲を超え、違法になります。
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■ 《補足》 複製(権)、翻案(権)とは何か?
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①文章を ”そのまま利用すること(コピー)” は『複製』(著作権法21条)
②文章を ”要約すること” は通常『翻案』(著作権法27条)
複製や翻案をする権利は、それぞれ「複製権」、「翻案権」として、コンテンツ(文書、画像)を作った著作者が持っており、これを侵害すると著作権侵害になります。
もとからある著作物に乗っかって、そのままコピーすること(複製)や、新しい物を作ること(翻案)は、原則的に著作権者の許可が必要だと考えてください。
なお、複製権とは、著作物を複製(コピー)する権利ですが、完全に同一である場合のみならず、実質的同一である場合も該当しますので注意が必要です。
文章を「要約」することは「翻案」に該当しますが、「要約」といっても、それが「単なる事実」であれば、著作物性はないとされています。
したがって、元記事から事実部分だけを抽出して利用した場合には、著作権侵害にはなりません。
また、紹介程度の短い要約は、元の著作物に表現されれている著作者の思想又は感情が感得されるものではないので、翻案にはあたらないとされています。
参考:
LINEが始めた「要約ニュース」 著作権や報道責任の問題はどうなってる?
- 弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/houmu/17/n_643/
著作権侵害行為|弁護士法人 フラクタル法律事務所でメール相談、無料法律相談
http://www.fractal-law.net/copyright/tyosakuken_singai.html
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