ブログでの発信

著作権は敷居が高いですが、インターネットで情報発信をするかぎり、この「著作権」を無視することはできません。 このブログでは、この著作権について、私が経験したこと、学んだことを、身近な事例で紹介していきたいと思います。

2015年10月1日木曜日

家庭の中で注意したい著作権とは  違法ダウンロードの刑事罰化と著作権事例紹介

著作権法は、「他人が作成した文章、画像などは、無断で利用できない」という面が強調されがちですが、「他人の著作物を自由に利用できる場合」も、著作権法で細かく定められています。

特に有名なのが、「私的使用の範囲ならば他人が作成したものは利用可能」という大原則。

この「私的使用の範囲」というのは、「家庭とか個人の範囲」であれば利用可能ということです。そのため、家庭の中で、新聞・雑誌・本やインターネットの記事をコピーしても、著作権上、問題になりません。また、好きなCDをコピーしてもOKです。


ただし、2012年の著作権法改正(違法ダウンロードの刑事罰化)で、家庭での利用にも制限がでてきました。今回は、家庭の中で注意したい著作権について、注意すべき事例もまじえ紹介します。

(注)私的範囲でも映画の盗撮はダメ!!
映画館等で映画の録音・録画を行うことは,私的使用のためであっても違法になります。



なお、家庭で実施するインターネットへの情報発信は、家庭の中で実施するとはいえ、注意が必要です。この場合は、著作権のことを充分考えることが必要です。

インターネットへの情報発信を家庭でしていると、著作権のことを何も考えずに、勝手に人の文書や画像を使いがちです。

しかし・・・・

インターネットのホームページ・ブログ・SNSの情報は世界中に発信されるため、「私的使用の範囲」の範囲を超え、他人が作成したもの(文章・画像など)を、インターネットで勝手に発信すると著作権違反になるので、充分注意ください。

なお、インターネットでの情報発信時に注意すべき点は、下記にまとめましたので、参考にして下さい。

 インターネット時代のモラル、著作権法~知って安心、知らないと危険、著作権法
 http://yumepatent.blogspot.com/2015/10/blog-post.html




■ 違法ダウンロードの刑事罰化
■  2012年の著作権法改正で家庭での利用にも制限が


著作権法を改正する法律が、2012年6月成立。違法ダウンロード行為に対する罰則(違法ダウンロード刑罰化)、DVDなどに用いられる暗号型技術を回避して行う複製が違法(刑事罰はなし)となること、などが盛り込まれました。

この改正内容は、家庭での利用にも制限がついた内容なので、より正確な内容を理解するため、著作権を担当(所掌)している文化庁の公開資料をもとに紹介します。


違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/download_qa/

平成24年通常国会 著作権法改正について 文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h24_hokaisei/

【情報モラル】著作権教育の取り組み方 著作権法改正|教育マルチメディア
http://www.kknews.co.jp/maruti/news/2012n/0806_4a.html


(1) 自分自身で楽しむことが目的であったとしても、インターネット上に無断で掲載された音楽や映画(海賊版)を、海賊版であると知りながらパソコンなどに取り込むこと(ダウンロード)は、違法な行為になります。

(2) 違法にインターネット上に公開されている音楽や映像が、一般に販売されているもので、そうと知りながらダウンロードする行為には、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、あるいはその両方が課せられることになります。

(3) 録音・録画は違法ですが、写真のダウンロードは録音・録画でないので、違法になりません。

(4) 公開されているもので違法でない音楽や映像は、これまで通り私的使用目的の複製として著作権者の許諾なくダウンロードすることができます。

(5) 公開されている音楽や映像を聴いたり見たりするだけでは、たとえ違法な音楽や映像であっても、ダウンロードしていないので、著作権侵害には当たりません。

(6) 私的使用目的であっても、暗号型技術を回避して行う複製は違法になります(DVDリッピング違法化)。具体的には,現在DVDに用いられているCSSやBlu-rayに用いられているAACS等が該当します。




■ 家庭の中の著作権事例



■事例1:音楽CDに収録されている曲を、個人で楽しむために自分のデジタルオーディオプレーヤーにコピーして聴く行為は、違法でしょうか?

OKです、違法ではありません。

個人で楽しむために、自分のデジタルオーディオプレーヤーに録音する行為は、複製行為に該当しますが、私的使用が目的であり、違法ではありません。


■事例2:購入したCDの中に気に入った曲があったので、その曲を動画に使いインターネットに公開したり、ホームページで音楽を流す行為は、違法でしょうか?

NGで、違法です。

これはCDの中の音楽をインターネットで公開するは、私的使用では無くなり、実演家、レコード製作者、作詞家・作曲家の著作権を侵害します。


■事例3:レンタル店から借りたCDを自分のパソコンにコピーするのは行為は、違法でしょうか?

OKです、違法ではありません。

レンタル店から借りたCDを自分で聞くためにコピーすることは、「私的使用のための複製」に該当するのでコピーできます(著作権法 30条)。


■事例4:個人で買ったDVDについて、家族の為に、技術的保護手段がかけられたDVDをコピーする行為は、違法でしょうか?

NGで、違法です。

技術的保護手段がかけられたDVDをコピーする行為は違法になります。「技術的保護手段を回避してのコピーは違法」(著作権法 30条1項2号)


■事例5インターネットの料理レシピーの中に母親の好きなものがあったので、Webページを印刷して母親に渡す行為は、違法でしょうか?

OKです、違法ではありません。

自分自身や家族など限られた範囲内で利用するために著作物を印刷(複製)することができます(著作権法 30条)。


■事例6:本の中に好きな料理を紹介していたページがあったので、コンビニのコピー機でコピーする行為は、違法でしょうか?

OKで、違法ではありません。

コンビニのコピー機でのコピー、誰でもやっているので当然だよ! と思いがちですが、著作権上は、例外処理でOKになっています。

著作権法の第30条では、「公衆用自動複製機器によるコピーはできない」ことになっており、店舗に設置されたダビング機器でCDなどをコピーするのは違法です。ところが、著作権法の附則の第5条の2において、「文書又は図画をコピーする行為は、当分の間私的使用として認める」ということになっています。

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