ブログでの発信

著作権は敷居が高いですが、インターネットで情報発信をするかぎり、この「著作権」を無視することはできません。 このブログでは、この著作権について、私が経験したこと、学んだことを、身近な事例で紹介していきたいと思います。

2014年1月27日月曜日

著作権早分かり講座  ~著作権の概要と他人の文章・画像の使い方

まず、著作権のポイントを紹介します。著作権は複雑ですが、その中から、私達の日常に必要な内容を紹介しますので、ガマンして見てください。

著作権法を簡単に言うと以下のようになります。

「苦労して作成した文章・画像などが勝手に利用されるのを防ぎ、また、他人が作成したものを利用する場合の注意事項を定めた法律」

著作権法は敷居が高いですが、インターネットで情報発信をするかぎり、この「著作権」を無視することはできません。


なお、著作権法には、「私的利用の範囲ならば他人が作成したものは利用可能」という原則があります。これは「個人・家庭などの狭い範囲」であれば利用可能ということです。 会社や公の場で、他人が作成したものを勝手に利用することはできません。

インターネットの場合、たとえ、個人による情報発信でも、その情報は世界中に発信されるため、「私的利用の範囲」の範囲を超え、他人が作成したもの(文章・画像など)を、自分のホームページ・ブログ・SNS等に勝手に利用すると著作権違反になりますので、注意が必要です。



■ 著作権とは

他人が作成した画像、文章、音楽データ等(著作物)は作成者(著作権者)のもので、法律"著作権法"で守られている著作物です。

その為、他人が作成したものを勝手に利用することは、"複製権(コピーして利用する権利)"などの著作権で規定された権利を侵害し、著作権に違反したことになります。

もし、著作権法違反の場合、「最高で懲役10年又は1000万円以下の罰金、あるにはその両方」で、窃盗罪と同じ重さの刑罰になっています。

なお、著作権には「両罰規定」があり、法人の代表者、従業員等が著作権侵害行為をしたときは、行為者のほか、当該法人も3億円以下の罰金に処せられます。


(1) 著作権・出版権・著作隣接権の侵害

   ・・・10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金

(2) 著作者人格権・実演家人格権の侵害

   ・・・5年以下の懲役又は500万円以下の罰金


■ 著作権で守られている権利とは

著作権で守られている権利には大きく、次の2つがあります。通常、著作権というと「著作権財産権」のことを言いますが、著作者の人格的利益を保護する「著作者人格権」もあるので注意が必要です。

(1) 著作権財産権 -著作物の利用を許諾したり禁止する権利(経済的に「損をしない」こと)
(2) 著作者人格権 -著作者の人格的利益を保護する権利(精神的に「傷つけられない」こと)

著作権財産権には多くの権利がありますが、以下の2つが代表的です。

(1) 複製権・・・著作物を複製する権利のことで,著作権の最大の目的です。
(2) 公衆送信権・・著作物を公衆に対して送信する権利です。

著作者人格権には以下の3つがあります

(1) 公表権・・著作物を公表するかしないかを決定できる権利
(2) 氏名表示権・・著作者名を表示するかしないか、表示する場合にどのように表示するかを決定できる権利
(3) 同一性保持権・・著作物の内容や題号を、自分の意に反して無断で改変されない権利


■ 特に注意したい「複製権」と「自動公衆送信権」


著作権法は、著作物に、いろいろな種類の権利を定めていますが、インターネットで特に重要な権利は、「複製権」と「自動公衆送信権」です。

「複製権」は、「著作物のコピーを作成する権利」です。この権利が作成者(著作権者)に与えられているために、他人の著作物のコピーを作ったら、著作権者の権利を侵害することになります。

ホームページ上の文字、写真などは著作権法上の著作物ですので、こうしたものを勝手にコピーして、自己のホームページに取り込むなどの行為は、著作権者の「複製権」を侵害するということになります

次に、重要な権利は、「自動公衆送信権」で、作成したものを、ホームページ・ブログ・SNS等で公衆に情報発信する権利です。なお、これには、「送信する行為」だけでなく、インターネットにデータをアップロードすることを意味する「送信可能化」という行為にまで及びます。

以上のことから、他人が作成したものを無断でコピーし、インターネット上に公開すると、「複製権」及び、「自動公衆送信権」を侵害するということになります。


■ 他人の文章を利用する場合の注意事項(引用)

他人が作成した文章は、ある条件を守れば、引用し利用することが可能です。

自分のオリジナルの文章が多くを占め、自分の文章の説明や補強として、他人の文章を利用する(引いてくる)というのが引用です。以下に引用時の注意事項を示します。

(1) 主従関係

自分の著作が主で、引用される著作が従であること。量的にも質的にも自分の著作が主であることが必要。

(2) 必然性があり最小限度

引用が自分の著作に不可欠であり、かつ必要最小限度の引用であること。

(3) 明瞭区分性

かぎ括弧をつけるなど,「自分の著作物」と「引用部分」とを明確に区別すること。

(4) 出所、著作者名の明記

引用する著作物の書名、著作者名などを明記し、出所が明確に分かること。

例)本からの引用の場合・・・“『書名』著者名、発行所名、発行年、引用ページ”のように記述
ホームページからの引用の場合・・・“ホームページ名(制作者)、URL”を記述する。

(5) 引用部分の同一性保持権

引用する場合に、原文そのままで引用すること。なお、途中を省略する場合は“(中略)”などと明記する。


■他人のホームページからの画像の利用

他人が作成した画像データを勝手に利用するのは著作権侵害になるので、注意が必要です。

なお、”画像利用はフリー”と明言している場合は利用してよいですが、この場合、”利用時の注意事項”を充分確認することが必要です。

例えば、”利用時の注意事項”に、「画像はフリーですが、そのまま使うことを条件にフリーにしています。画像の大きさや縦横の比率を変えて利用しないで下さい」という注意書きがある場合があります。この場合、画像を利用するときは、元の画像のままで利用しないといけません。


■ キャラクターの画像

キャラクターの画像は著作権上の問題があるので、ホームページ・ブログ・SNS等には基本的には掲載できません。マンガなどからコピーしたものをそのまま使った場合は、明らかな複製ですから、無断で利用できません。


■ CD等の音楽をインターネットに公開するのは違法
CDなどに収録された曲をデジタル化(MP3等)して公開しているホームページがありますが、これは著作権を侵害した、違法な行為です。

自分の私的な範囲であれば、CDなどの音楽をデジタル化(MP3等)して利用するのはOKですが、これをインターネット上に公開するのは、私的な範囲を超え、違法になります。

■ 肖像権(しょうぞうけん)

「肖像権」というのは誰でも持っている権利で、むやみに自分の写真や名前などを公表されて、嫌な思いをしないための権利です。

各個人は、人格的権利の一貫として、自分の顔写真や肖像画(似顔絵も含む)は、自分の知らないところで勝手に使われないようにする権利を持っているということです。

従って、他人を映した写真、肖像画の類をWebページ等に掲載する場合には、映っている本人の許諾が必要です。この肖像権は、どこの法律にも出てきませんが、著作権法上の問題として良く議論されます。


■ パブリシティ権

さらに、タレント等の有名人の場合、顔写真や名前を使って利益を得ることができるので、肖像権以外に氏名・肖像を利用する権利、パブリシティ権というものがあります。

パブリシティ権は、有名人の氏名・肖像は、コマーシャル等に利用することで経済的な利益を上げることができるので、それを保護しようというものです。

そのため、有名人の写真を無断でホームページ・ブログ・SNS等に使用することは、パブリシティ権の侵害となるので、基本的に有名人の写真は載せてはいけません。

有名人の写真を利用する場合には、写真の著作権者のみならず、写真の被写体である有名人の承諾を得なければなりません。

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