ブログでの発信

著作権は敷居が高いですが、インターネットで情報発信をするかぎり、この「著作権」を無視することはできません。 このブログでは、この著作権について、私が経験したこと、学んだことを、身近な事例で紹介していきたいと思います。

2014年1月30日木曜日

著作権で保護される著作物とは? 著作物の定義を知って著作権を理解しよう!!

著作権法で保護される「著作物」とは、いったい何でしょうか? これをハッキリ理解しておくと、著作権法が保護しようとしている内容がよく分かり、役立ちます。

「著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。(著作権法 2条1項1号)」

著作物の定義を分解すると以下のようになり、「著作物というためには、下記の全ての要件を満たさないといけません。」と著作権の本やインターネットでは、よく説明されています。

 ①思想または感情を
   人間の思想や感情を伴わない単なる事実やデータは著作物ではありません

 ②創作的に
   創作が加わっていないありふれた表現には創作性がなく著作物ではありません

 ③表現したものであって、
   なんらかの形で表現しなければなりません
   表現されていないアイデアは保護されません

 ④文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの
   大量に生産する工業製品は保護されません

でも・・・基本的には、以下で説明されている内容でOKです。

 著作物にはどんな種類がある?  | 公益社団法人著作権情報センター CRIC
 http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime1.html
 

『上手下手で権利が発生したり、しなかったりということはありません。人のマネでなく、その人の思想や感情が創作的に表現されていれば、たとえ3歳の子どもの絵も小学1年生の作文も立派な著作物なのです。』

つまり、誰が作成しても、個性が発揮されていれば著作物といえます。


上記の①~④の条件は、これって著作物なの?と悩んだときに確認する内容で、一つでも該当しなければ著作物ではないと判断するための条件だと思います(専門家の皆さん、すいません!)。


■創作的とは?

著作物の要件の中で、「創作的」というのが曲者です。「創作的」といえるためには、個性がなんらかのかたちで発揮されていれば良いのです。このことで、他人の著作物の模倣品や模写したものは、創作性がなく、著作物から除外されます。

また、表現がごく短いものや、表現が平凡で、ありふれたものである場合などには、筆者の個性が表れておらず、創作性は認められません。

一方、「ボク安心ママの膝よりチャイルドシート」というスローガンに創作性が認められた例があります(交通安全スローガン」事件)。字数が少ないものでも創作性が認められる場合があり、俳句や川柳についても同様のことがいえます。


■表現したものとは?

原稿やイラストのような紙などに書かれたものだけでなく、講演会等における講演や即興演奏された音楽なども著作物になります。そのため、例えば、講演会の内容をメモしたものは複製物(コピーしたもの)になります。


■マンガのキャラクターは著作物?

「漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということはできない」ので、著作物とはいえません(最判平成9.7.17「ポパイ・ネクタイ」事件)。

ただし、キャラクターが描かれているマンガは著作物であるため、これをポスターに複製して著作権者に無断で配れば、著作権侵害となります。「キャラクター」が保護されているのではなく、「キャラクターが表現された作品」が保護されています。


【補足】 著作物の種類

下記のサイトから、著作物の種類などについて以下に補足します。

 著作物にはどんな種類がある?  | 公益社団法人著作権情報センター CRIC
 http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime1.html


■著作物の種類

言語の著作物・・・論文、小説、脚本、詩歌、俳句、講演など

音楽の著作物・・・楽曲及び楽曲を伴う歌詞

舞踊、無言劇の著作物・・・日本舞踊、バレエ、ダンスなどの舞踊やパントマイムの振り付け

美術の著作物・・・絵画、版画、彫刻、漫画、書、舞台装置など(美術工芸品も含む)

建築の著作物・・・芸術的な建造物(設計図は図形の著作物)

地図、図形の著作物・・・地図と学術的な図面、図表、模型など

映画の著作物 ・・・劇場用映画、テレビ映画、ビデオソフト、ゲームソフトなど

写真の著作物 ・・・写真、グラビアなど

プログラムの著作物 ・・・コンピュータ・プログラム

二次的著作物・・・上表の著作物(原著作物)を翻訳、編曲、変形、翻案し作成したもの

編集著作物・・・百科事典、辞書、新聞、雑誌、詩集など

データベースの著作物・・・編集著作物のうち、コンピュータで検索できるもの


(注)次にあげるものは著作物であっても、著作権がないので、自由に使えます。

 ・憲法そのほかの法令(地方公共団体の条例、規則も含む。)
 ・国や地方公共団体又は独立行政法人の告示、訓令、通達など
 ・裁判所の判決、決定、命令など
 ・1から3の翻訳物や編集物で国や地方公共団体又は独立行政法人の作成するもの

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