著作権法では、他人が作成した文章・画像・音楽・映像などの著作物を、「勝手に使っていけない!」という内容以外に、「この場合は自由に使ってもOK!」というのも、細かく規定しています。これは、著作権法を勉強し始めて、気づきましたが、意外な発見でした。
著作権法は、「他人が作成した、著作物(文章、画像 他)は無断で利用できない」という一面ばかりが強調されがちですが、
著作権法には、「著作物の公正な利用を行い文化の発展に寄与する」という一面
があり「他人の著作物を自由に利用できる場合」を、著作権法の第30条~第50条で、細かく定めています。まさに”頑固おやじの優しさ”ですね。
その中で、私的使用、引用など一定の場合に、著作権を制限して著作物を自由に利用することができることになっています。 著作物を利用しようとするたびごとに,著作権者の許諾が必要であるとすると、著作物の公正で円滑な利用が妨げられるからです。
特に大事なのが、
「私的使用のための複製(著作権法 第三十条)」
「引用(著作権法 第三十二条)」
です。
ただし、さすがに私的使用や引用であったら、なんでもOKにはなりません。作成者の利益を不当に害さないように,その条件が定められていますので、注意が必要です。
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■ 著作物が自由に使える場合
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下記のサイトで、分かりやすく、自由に使える場合が細かく説明されています。
主なものを下記サイトを元に、一部紹介します。
参考情報:
はじめての著作権講座
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime7.html
著作物が自由に使える場合|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html
(1) 私的使用のための複製(著作権法第30条)
自分自身や家族など限られた範囲内で利用するために著作物を複製することができる。
(2) 図書館での複製・自動公衆送信(著作権法第31条)
法令で定められた図書館などに限り、利用者に対し複製物の提供を行う事ができる。
(3) 引用(著作権法第32条)
自分の著作物に引用の目的上正当な範囲内で他人の著作物を引用して利用することができる。
(4) 試験問題としての複製など(著作権法第36条)
入学試験や採用試験などの問題として著作物を複製し、又は公衆送信を行うことができる。ただし、営利目的のための利用は、著作権者への補償金の支払いが必要。
(5) インターネット・オークション等の商品紹介用画像の掲載のための複製(著作権法第47条の2)
商品紹介のための画像掲載について、政令で定める措置を講じることを条件に、著作物を複製・自動公衆送信することができる。
上記以外にも、著作物が自由に使える場合があります、詳細は上記のホームページを参照下さい。
なお、インターネット上に公開してある画像等で、”フリー(自由に使って下さい)”と表示されている場合は利用が可能です。但し、画像利用が”フリー”の場合でも、画像サイズを小さくしたり色を変えたり等の編集を禁じている場合がありますので、”フリー”の場合でも”利用時の注意事項”を充分確認下さい。
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■ 「私的使用のための複製」とは (著作権法 第30条)
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著作権は、「私的使用の範囲ならば他人が作成したものは利用可能」という原則があります。
この「私的使用の範囲」というのが、やっかいで難しいのですが、「家庭とか個人の範囲」であれば利用可能ということで、会社や公の場で、他人が作成したものを勝手に利用することはできません。
また、インターネットの場合は注意が必要です。
たとえ、個人によるホームページ・ブログ・SNSでの情報発信でも、その情報は世界中に発信されるため、「私的使用の範囲」の範囲を超え、他人が作成したもの(文章・画像など)を勝手に発信すると著作権違反になります。
(注)私的範囲でも映画の盗撮はダメ!!
映画館で盗撮された映画の複製物が多数流通し,映画産業に多大な被害が発生していることから,その防止目的として、「映画の盗撮の防止に関する法律」が平成19年8月30日から施行されました。映画館等で映画の録音・録画を行うことは,私的使用のためであっても違法になります。
(注)購入したり、レンタルした映画DVDなどを、空のDVDにコピーするのは違法!!
DVD等に用いられる暗号方式の保護技術を回避(解除)したコピーは、たとえ個人使用の目的でも違法になり、民事上の責任(損害賠償など)を負うこととなります。詳しくは下記を参照下さい。
平成24年通常国会 著作権法改正について|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h24_hokaisei/
暗号方式の保護技術とは,暗号化することにより,機器での視聴や複製をコントロールする技術であり,現在,DVDやBlu-ray Discなどに用いられています。なお,技術的保護手段の用いられていないCDを私的使用目的で複製することは,著作権侵害とはなりません。
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■ 「引用」とは (著作権法 第32条)
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他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には、以下の事項に注意しなければなりません。
(1) 主従関係 自分の著作が主で、引用される著作が従であること。量的にも質的にも自分の著作が主であることが必要。
(2) 必然性があり最小限度 引用が自分の著作に不可欠であり、かつ必要最小限度の引用であること。
(3) 明瞭区分性 かぎ括弧をつけるなど,「自分の著作物」と「引用部分」とを明確に区別すること。
(4) 出所、著作者名の明記 引用する著作物の書名、著作者名などを明記し、出所が明確に分かること。
例)本からの引用の場合・・・“『書名』著者名、発行所名、発行年、引用ページ”のように記述
ホームページからの引用の場合・・・“ホームページ名(制作者)、URL”を記述する。
(5) 引用部分の同一性保持権 引用する場合に、原文そのままで引用すること。なお、途中を省略する場合は“(中略)”などと明記する。
【役立つ参考情報】
著作権に関する教材,資料等|文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/kyozai.html
この文化庁のホームページにある「著作権テキスト(PDF形式)」は良く出来ています。著作権を知るためには絶好のテキストです。
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